定時帰りは、自分の成長が止まってしまう? <ぷーさん-2 仕事のお悩み> - 小室淑恵さんに聞く オン&オフ改善コンサル - 専門家相談[ジョブラボ:朝日新聞社]
Q:キャリアの焦りと、家族への思いで板挟み
理解ある上司のもとで、人材育成プログラムの企画などをまかされていますが、成果や効果を実感しづらい分野の業務なので、本当にこれでいいのかと迷いながらの毎日です。まもなく35歳。すでにシニアマネジャーになった同期もいて、私もステップアップしたい気持ちがありますが、今の部門ではポストが空くチャンスが少なそう。といっても、転職するには準備が必要だし、働き方を変える必要もありそう。自分としては、もっと勉強したい気持ちはありますが、まだ5歳の娘は、「ママは私よりも仕事が好き。いいよ、私は2番で」と言ったりするので、ついつい、仕事をセーブしてしまいます。上司にも恵まれ、ほぼ毎日、定時に帰っていると、自分の成長が止まってしまうような気持ちになったりもします。
(相談者のプロファイルは)
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A:数値に頼らない目標設定をしてみましょう
ご相談いただきありがとうございます。さらにスキルアップして成長しようというぷーさんの姿勢に、たいへん感銘を受けました!このコラムがヒントになって、ぷーさんが仕事の成果や効果を実感しやすくなり、日々の成長も実感できるようになっていただければと思います。
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仕事には、具体的な売上目標やプロジェクトのゴール達成といった、日々の成果や自分の貢献度などを測りやすい業務もあれば、ぷーさんのようにそれを「実感」しづらい業務もありますね。あえて、ぷーさんのお仕事で、客観的な数値でみられる定量的な目標を考えてみると、例えば「研修プログラム参加者の満足度を10%上げる」「効率的な会議運営に挑戦し、会議時間を30%減らす」といった数値目標が考えられるでしょうか。
ただ、どのような業務においても、客観的な数値とは違った視点で目標を定めることによって、明確にゴールイメージを持ち、日々の成果を実感することはできます。ぷーさんのお仕事についても、定量的ではない、次のような2つの視点で考えて、具体的な目標をいくつか用意してみてはいかがでしょうか。上司とも相談しながら進めると、チームビジョン(チームが達成したいこと、ありたい姿)とも整合性が取れて、より効果的です。
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一つ目の視点として、定性的な視点があります。数値で表現することがなかなか難しい、以前と比較したときの変化や満足感といった目標です。ぷーさんのお仕事には定量的な目標よりも、この定性的な目標の方が多いのではないでしょうか。
さらにもう一つ、定量と定性の間にあって、見落としてしまいがちな視点があります。それが"成長・過程"という視点です。定量、定性の視点で目標を定めるときに、その過程でぷーさんが得られる成長についても考えておき、それも目標の一つとして定めておくという考え方です。こうすると、日々の業務の成果を実感しながら目標に向かっていきやすくなるのです。これらの、成長や過程の目標にも、数値で表すことのできる定量的な要素の強いものや、定性的な要素の強いものなど、様々です。たとえば「満足度を10%上げる」という定量的な目標を達成する過程では、「PCスキルを身につけ、●●という資格を取得する」、あるいは、「◆◆というソフトウェアを使えるようになる」、さらには「上司� �代わって業務を代行できるようになる」といった"成長・過程"視点での目標が考えられます。
「定時に帰っていると、自分の成長が止まってしまう」というご心配。私にもかつて、「もっとスキルアップして仕事ができるようになりたい」という思いから、長時間労働をしていた経験があり、たいへん共感します。この悩みについては、「仕事の時間を長くすることだけで、本当にスキルアップや成長につながるのか」を考えてみる必要がありそうです。さきほどの定量・定性・成長/過程という視点で考えた目標を達成するためには、"仕事の時間を増やす"以外のアプローチはありませんか。実は、成長・過程という視点で定めた目標達成のためには、ワークではなくライフの時間の過ごし方にヒントがあることが多いのです。
たとえば、「問題解決を時間の長さに頼らない」という発想は、お子様とのコミュニケーションにも共通します。お子様が「いいよ、私は2番で」と言ったのは「仕事の時間を減らしてほしい」という意味ではないかもしれません。たとえば「もっとママと話がしたい」「どこかに遊びに行きたい」「何かを一緒にしたい」など、"自分とママとのありたい姿"と現実にギャップがあり、あるいは「寂しい」と感じ、それを埋めてほしいと思っている可能性があります。その具体的な「○○したい」が分かれば、一緒に過ごす時間をただ長くするのではなくて、コミュニケーションの質を高めるなどの方法で解決ができるのではないでしょうか。
ワークでもライフでも、数値に頼らない具体的な目標を設定して、日々のスキルアップ・成長を実感いただくことができればと思います。
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